怠慢行政による年金問題

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公的年金とは、国が国民から納付される保険料を健全に運用して、社会全体で高齢者を支える福祉システム(のはず)です。

この年金制度は、長期間納付を続けてきた加入者に適正な年金を支給するもので、行政がその納付記録を厳正に管理する事が大前提になっています。

しかし、2007年以降に、社会保険庁においてコンピュータに入力した年金記録に多数の入力ミスや不備が存在している事が発覚します。

これは、基礎年金番号への過去記録の整理や統合を進める中で、末整理の記録が5000万件もある事が判明した社会保険庁のずさんな記録管理によるものなのです。

これが「宙に浮いた年金記録」と呼ばれ、社会全体から猛烈な批判を受ける事になります。

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また、加入者から確かに納付したと主張する国民年金保険料が社会保険庁のデータに記録されていなかったり、給与から天引きされていた筈の厚生年金保険料が記録されていないケースも少なくありませんでした。

こちらも不名誉な「消えた年金記録」と言う名称で呼ばれ、社会全体から批判を受けました。

当時、総務省に置かれた「年金記録問題検証委員会」で、これらの問題に関する調査が行われました。

その報告書には、「社会保険庁において記録問題に対して組織的に十分な改善対策がなされていなかった。歴代の社会保険庁長官や幹部職員の責任は重大である。」というような事が記されていました。

しかし、更に同時期に、社会保険庁職員の不正なオンライン操作による年金の不正受給や着服が発覚します。

こうなってしまっては行政の信用は失われたも同然です。国民の誠実な年金保険料納付は完全に裏切られたと言ってもいいでしょう。

年金制度の危機

近年、自営業者等が加入する国民年金の納付率が低下していると伝えられていますが、これらの多くの年金問題が大きく影響していると指摘されています。

年金記録問題検証委員会の報告書の最後には今後の改善策が盛り込まれていましたが、一度失った信頼は簡単には取り戻せません。

世代による年金の不公平感は、今後も解消される気配がありません。今まさに、日本の年金制度は危機を迎えているのです。


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